「よおっ、お二人さん」
その時、後ろから急に声をかけられた。
振り返ると、仙崎がいた。
「なっ、仙崎、こんなところで何を・・? 」
「ゴメンな。ジャマして・・」
話す仙崎の息はあらかった。
そして何かにつまづくように、よろめく。
「わあっ」
僕はびっくりしたが、かろうじて仙崎に近よって体を支えた。
わき腹のあたりに触れた僕の手にべっとりしたものがつく。
血だ・・。
「仙崎ケガしてるの? 」
「大丈夫、ちょっと・・かすった・・だ・け・」
仙崎はそう言ったまま気絶した。
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第十四話へ続く
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