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第九話:守りたい
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僕はキヨノさんと一緒に歩きながら、話を切り出せないでいた。

いつものように僕が他愛(たあい)もない話をして、キヨノさんがそれを笑って聞いてくれる。

関わらないってことは、もう会えないってことだ。

それを自分から切り出すのは辛かった。

それに、もう会わないって言ったらキヨノさんはどう思うんだろう?

「サトシ君どうしたの? 今日は何か元気ないみたいだけど・・」

キヨノさんが心配そうに聞いてきた。

最近のキヨノさんは僕のことをサトシ君と呼ぶ。

「あっ、いえ何でもないです・・」

「そう? 何かあったら話してね。聞くことぐらいはできるし」

キヨノさんはやっぱり悪い人じゃない。

だからきっと何か事情があるに違いない。

会う会わないの前に、やっぱり色々と確認しなきゃ。

「あの、今日ちょっと時間いいですか? 話したいことがあるので」

僕は思い切って言った。

「うん・・、大丈夫だよ」

キヨノさんが笑って答える。

「あっ、でも家はあれだから近くの公園にしよっか」

キヨノさんはそう付け加えた。

やっぱり家に何かあるのだろうか?

僕はキヨノさんが一人、部屋の中で話している様子を思い出していた。

あれは独り言なんかじゃなかった・・。