「はい、それも水準以上です」
実際に森本紀代乃の身体能力は素晴らしかった。
普段はそうでもないのだが、催眠状態に入った際の力や反応速度がただ事ではない。
もっとも、その反動でいつも動けなくなるのだが・・。
「仕上げはいつ頃になるでしょうか? 」
「はい、あと半年もあれば」
「ふむ、半年・・。少し長いですなあ。先代は、もうもちそうにないんですよ。もって、あと3ヶ月が限度」
3ヶ月で精神レベルを0付近まで持っていくのは少し困難に思えた。
これまでの生活と、催眠状態での刷り込みにより、生きる気力を奪ってはいるが、やはりあと半年は必要だ。
「3ヶ月は少し難しいかと思われます」
私は正直に言った。
その時、森本のそばの空気がゆれた。
見るとすぐ横に男が立っている。
男は森本に小さな声で何かを伝える。
何か報告に来たようだ。
森本はしばらく考え込んだ後に、口を開いた。
「ふむ、そのようなものが邪魔(じゃま)をしているとは・・」
そして、続ける。
「3ヶ月は難しい・・。先生がそういうなら、そうなのでしょう。ではその男が役に立つかもしれないですね」
「その男・・とは? 」
「いやね最近、娘にはどうやら好きな男がいるようなのですよ」
森本はおかしそうに、くくっと笑う。
「好きな男が? そんなまさか・・」
私は少しおどろいた。
森本紀代乃にほどこした催眠には他人と交わらないように、というものもあったのだ。
実際に森本紀代乃の身体能力は素晴らしかった。
普段はそうでもないのだが、催眠状態に入った際の力や反応速度がただ事ではない。
もっとも、その反動でいつも動けなくなるのだが・・。
「仕上げはいつ頃になるでしょうか? 」
「はい、あと半年もあれば」
「ふむ、半年・・。少し長いですなあ。先代は、もうもちそうにないんですよ。もって、あと3ヶ月が限度」
3ヶ月で精神レベルを0付近まで持っていくのは少し困難に思えた。
これまでの生活と、催眠状態での刷り込みにより、生きる気力を奪ってはいるが、やはりあと半年は必要だ。
「3ヶ月は少し難しいかと思われます」
私は正直に言った。
その時、森本のそばの空気がゆれた。
見るとすぐ横に男が立っている。
男は森本に小さな声で何かを伝える。
何か報告に来たようだ。
森本はしばらく考え込んだ後に、口を開いた。
「ふむ、そのようなものが邪魔(じゃま)をしているとは・・」
そして、続ける。
「3ヶ月は難しい・・。先生がそういうなら、そうなのでしょう。ではその男が役に立つかもしれないですね」
「その男・・とは? 」
「いやね最近、娘にはどうやら好きな男がいるようなのですよ」
森本はおかしそうに、くくっと笑う。
「好きな男が? そんなまさか・・」
私は少しおどろいた。
森本紀代乃にほどこした催眠には他人と交わらないように、というものもあったのだ。