「まだかよ」 「あと少しだから」 彼に笑顔を向けて立ち上がる。 訝しげな表情の彼。 「お揃いのものも、もういらないでしょう?」 だから捨てるのよ、と言うと、彼は納得したような顔になり、そっぽを向いた。 キッチンに向かい、思い出の詰まったものをビニールに入れる。 あぁ、彼はそうだった。 私がいなければ何もできないのに。 なのに、なのに……