また変な質問だった。


「さあな、やったことないから分からんけど…多少なりとも麻酔は痛いって聞いたで」


そこまで答えてからはたと固まった。


「雪。もしかして、」


雪は病気か何かに…?


「お、重くないですからっ!ありがとうございました!じゃあ!」


涙を堪えるようにして雪はドアの奥に消えて行った。


『私今日、けん…用事があったんでした!!』


声が頭を反芻する。

けん、の続き。




察することができないほど僕も馬鹿じゃない。



《検査》なんだろうな、と。