「それじゃあ春氷先輩っ!!桜木先生もさよならー!!」


雪がドアを開けると勢いよく冷気が舞い込んできた。


びゅおう、と風が鳴る。






「水島くん…惚れたか」

桜木さんの声で我に帰る。

惚れた?僕が?

いや…高三が、中三に?


「んなわけないじゃないですか。そんなんロリコンやん」


最後だけ敬語が抜けたのは、自分に向かっての言葉だったからだろう。


あの子を好きになってはいけないと。







いわば、最後の警鐘だったんだ。