通話時間、4分30秒と表示されたスマホを布団に放りだし、立ち上がる。



窓を開けると、なまぬるい風が扉を押し開けた。



「ちょっとあんた、朝っぱらから誰と電話してたのよ」


廊下からまぶしい朝の光と、父親のコーヒーの香りが襲ってくる。



「えー、カレシー?」



わざとらしいくらいコミカルに発声すると、苦笑した父親が振り向いた。



「それよりトーストちょうだいよ。砂糖めっちゃ振ったやつ」


「もう、それくらい自分でやってよ。あんたもう18でしょ」



母親はぶつくさ言いながら、トースターのタイマーをひねった。