「キキ。最後なんて言わないで。また会いにきて」 「--もちろん」 「今どき京都なんて新幹線で2時間だから」 キキはお決まりの困り顔で、最後に嘘を吐いた。 「そうだな。また来るよ、この季節に」 終わったと思った、完全に。 でも、これでいいのだろう。 わたしたちは変わり続けなきゃいけない。 これからもずっと。 まぶたを閉じると、本物の春一番が吹きぬけた。 ワールズエンド。