頭上で電車が線路を走る音がした。 わたしたちは高架下に差しかかっていた。 キキは道端の小さな階段を見つけ、迷わず上がっていく。 「着いたよ」 春風が線路沿いの細い道を吹き抜ける。 舞い上がる髪をのけると、そこには、わたしたちの住む街が広がっていた。 ぶざまな塗り絵のようなその景色に、わたしは胸を突かれた。 高校時代は終わってしまった。 そう実感してしまった。