結希と妖怪スピーカーを見ていた椎名も口を開く。
「俺も、結希ちゃんに彼氏がいる事を知らなかったとはいえちゃんと確認して頼むべきだった。悪い」
椎名も頭を下げた。
「ギャハハ〜!!!いいよいいよ〜!!いのの彼氏だもん〜!!ケケケッ!」
おい。それはどういう意味だよ、妖怪スピーカー。ふと思うんだが、君は喉枯れたりしないんだろうか。今は関係ないか。はい。
「で、椎名と結希はそれで知り合いになってるんだな。」
話を戻そうではないか。
「木村くんが2回目あたしと椎名くんを見た時っていのちゃんも見ていたんだよね?」
結希が私に聞いてきた。
椎名は驚いた表情で私のほうを見る。
「うん、見てた。木村に結希の事相談されてまずは一緒にいた男が誰なのか調べようと木村が嗅ぎ回るからたまたま一昨日は私も木村について行った。」
私は結希を見る。今日も結希の髪は綺麗に耳の後ろで2つに結ってある。可愛いよな、本当に。
結希は目をパチパチさせると妖怪スピーカーのほうをむいて口を開く。
「木村くん、嗅ぎ回るって…?」
「ガハハッ!!!!うん!!毎日、結希ちゃん尾行してた!ケケケッ!!」
…結希固まったぞ。君、その発言大丈夫だったのか。尾行って言葉…結希怒らないか。
妖怪スピーカーだから怒られてもずっと笑いっぱなしで通しそうだけど。
「あー、だからか」
結希が口開く前に椎名が口を開いた。
「なに?」
私は椎名の言葉に問いかけた。
椎名のほうを見て言葉を待つ。