まず、何から話せば良いのだろうか。


「私は結希と友達で、椎名とは付き合ってる。木村は中学も一緒で最近また話すようになった。結希と椎名は何で知り合い?」



私と妖怪スピーカーの仲をまず2人に知ってもらった。次に、結希と椎名の関係を明確にしなければならない。



「それは…」

「えっと…」


結希と椎名は言葉を詰まらされる。


「木村が2人を疑ってた。」

「それは違うの!!!」


私が言う言葉に結希が声をあげる。


「そうそう〜!いのが言ってる通り〜?ケケケッ!おれ結希ちゃんと男の人が一緒にいるところ見かけていのに相談したもん!!アハハッ!!!」



今更だけど、椎名と妖怪スピーカーの面識って…大丈夫だろうか。ほぼ初対面だろ。


「うん、木村が私に結希に男の人の影がないか確かめて欲しいって頼んできた。でも、まだ木村はその時の男が椎名だって知らなかった。」



ちゃんと話さないと、
ちゃんと2人の口から聞かないといけない。



結希は分かった、と言って全員の顔をそれぞれ見ると口を開いた。


「誤解を解きたいし、木村くんには話したけど話すね。木村くんが、あたしと椎名くんを見たのは5月に入る前だと思う。その日ね、いのちゃんには内緒で椎名くんがあたしのところに来て付き合って欲しい所があるって言ったの。」


「俺、いのが何欲しいか知らないから驚かせたくていのと仲良さそうな結希ちゃんにプレゼント選び手伝ってもらおうと思って…」


結希が言う事に補足するように椎名は話した。


「うん、ちゃんと昨日貰った。驚いたし嬉しかった。」


私は椎名と結希のほうを見て微笑んだ。



「ふふ、椎名くん良かったね。」

「おうおう〜!!!!良い彼氏ジャンッ!!!!ケケケッ!」


…良い彼氏だわ、うん。


椎名はヘラっと笑顔を見せる。


「それで、結希ちゃんに買い物に付き合って貰った。そこを木村くんは見たんだと思う。」


「うん、木村くんがいるのにあたしも他の男の人と出かけるなんて軽率でした。ちゃんと言うべきだった、ごめんなさい。」


結希は律儀に妖怪スピーカーに頭を下げた。


「ケケケッ!おれも結希ちゃんからちゃんと聞き出したりしなかったしぃ〜!!ガハハッ!ごめんね!!」



仲の良いカップルだこと。

まあ、お互い素直過ぎてちょっと恋愛になるとすれ違ってしまうんだろうな。