「浮気疑惑が浮上した、最初の2人を見た時の事は何だったんだ」
幸せそうにゲラゲラ笑う妖怪スピーカーの表情を見ながら聞く。
「あ、それねぇ〜!俺だけが見たやつだっけ!ガハハッ!!!なんかその〜椎名って人が結希ちゃんに声かけて来たらしく、椎名って人の彼女が結希ちゃんと仲良いから結希ちゃんにプレゼント選び手伝ってって頼んだっぽいよぉ〜!!!ギャハハ!!!」
あー。うん。合点いったわ。
椎名って人の彼女、それ私だ。うん。プレゼント昨日貰ったぜ、バッチし。
その時に結希と椎名は知り合っていたんだ。だから昨日も話して一緒に帰った…と。
納得行ったわ。はぁ。
何だか長い数日だったな…。
「これで、解決か」
「おう!!ケケケッ!だが、いのとおれの相棒協定は続くぜぇ〜!!!!」
いつ君と私が協定結んだ。聞いてないぞ。てか、探偵ごっこからいつのまに相棒とかなんとか格上げされたんだ。私らは刑事か。アホか。アホだな。
「いの、ありがとな!!ケケケッ!まぁ〜!!!浮気だったら堂々とショッピングモールなんか歩かねぇよな〜!!ギャハハ!!!!!」
「え…?」
…待って。何か…違う。違和感。何だ。
分からない。
妖怪スピーカーを力強く見上げる。
「なぁ!それ見たのいつだ!」
「えぇ〜?ゴールデンウイーク前…4月の終わりかなぁ〜?ウハハッ!!!!!」
「それ、何時頃だ」
「ケケケッ!時間は見てなかったけどぉ〜、外はまだ明るかったぞ!!!!!」
…外は…明るい。
それだけで十分だ。違和感が繋がった。
「昨日、結希にその日の事を聞いた時、いつの日だったか確かめるようなこと聞かれなかったか?」
「あぁ〜!!うん!!!ガハハッ!結希ちゃん、それ5月前のこと?って聞いてきた!!!!おれそうだよ〜って言ったしぃ〜!ハハッ!」
…結希っ。
思わず、私は顔をしかめた。
「いの〜?ケケケッ!どうかしたの〜?」
私を見て疑問を感じたのか、妖怪スピーカーがそう言うと昼休みが終わる合図のチャイムが鳴った。
「いや、大丈夫。」
タイミングが良くてよかった。
私は妖怪スピーカーのほうを見ることなくその場から離れた。