「いいいぃぃぃ!!!!のおおおぉぉおおお!!」


「……。」



え。

ものっそい勢いで私の名前を叫ぶ声がする。

私の名前は確か、いのだ。

それからすんごい足音も聞こえる。


昇降口から私が出ようとした時。


「見つけたあぁあああ〜っ!!」


その声と共に背後から首元の襟を掴まれ、抵抗する間もなく後ろへと引っ張られた。


待て待て待て待て待て。


何が起きた。



考える間もなくズルズルと引っ張られる。転けないように合わせて足を動かすも…まて、ローファーが床に上がって……しまったじゃないか。土足だぞ

ど〜こ〜ま〜で〜ゆ〜くの〜っ。


そして勢いがピタッと止まったと思えばぐるんと体を回され、私を引き止める主が視界に映った。


「あ、木っ…」

「いの〜!ケケケッ!いのー!」


おい、木村。何が楽しくてゲラゲラ笑ってるんだ。

そして抱き着くな。そこまで感動の再会をするほどの思入れは君には無いぞ。


「ケケケッ!ガハハハ八ッ!!」


ローファーのまま廊下に立っていいのだろうか。
どうするよ、私。