「それで?そこからどう付き合う流れになった?結希が告白でもしたか?」


「んなっ…!そ、そそそそれは…」



プシューッと結希は真っ赤になると、蒸発した。ほうほう、湯気が見える。

結希は顔を隠すように俯くけど、真っ赤な耳が隠れていない。可愛いのぉ。



「…ふぅ、いのちゃんにこういう話するの恥ずかしい」

「私は聞いてて嬉しいけど?」



話すよ〜っと言って結希は紅茶を飲むと再び顔を上げた。


「えっと、学祭当日ね。やっぱりあたしだけはクラスに居づらい感じだったけど元々みんな仲良いから学祭は順調で、すごく良かった。するとね、木村くんがあたしに話しかけて言うの。いつものニコニコ笑顔とは違う感じで笑いながらだったけど、おれの所為でごめん、もう迷惑かけない、クラスの人に結希ちゃんとおれは何もない事をわかってもらうし結希ちゃんは前みたいに笑ってなよって…一方的にあたしに話して木村くんは消えちゃうし…」



ふーむ。妖怪スピーカーも結希のこと見てたんだな。前みたいに笑ってなよって結希を見てないと言えない事だ。


「あたし、木村くんにだけ謝らせて自分は謝れなくてすぐ木村くんの姿を探そうとしたけど学祭って来場者とかすごいからさぁ…」


「あー、うん。すごかった。」


あの時の学祭の人混みようは異常だったわ。うむ。人口密度やべぇ!!!ってキャッキャ騒いでいたやつ居たわ。


「でしょ?あと、あたしと木村くんが何も無い事を分かってもらうとかなんとか木村くんが言ってること訳分かんないし。そしたら、木村くんのことが好きな子があたしのところに来てきょうのミスコンしっかり見てなさい!とか言うし訳分からなくて…」


「あー、学祭ミスコンあったな。学校のミスターとミスのNo. 1決めるんだっけ」


私、学祭はずっと椎名とクラス巡りしてたからミスコン会場の体育館には行かなかった。やっぱりミスターはイケメン妖怪スピーカーがとったんか。1年生でとるとかどえらいな。


「うん、それ。でもさ私、伝統知ってるから何となく分かっちゃって急いでミスコン会場に向かった。」

「伝統って…キスのやつ?」


私が聞くと結希が頷いた。

伝統と言うのはミスターや、ミスのNo. 1に恋人がいる場合はその恋人がおめでとうとステージ上まで来てミスターや、ミスにキスをする。
もし、No. 1になったのが恋人が居ないミスターとミスだったらその2人がキスをするというもの。


ちなみに、ミスコンは裏イベントだから先生黙認でハレンチな事しても大丈夫なのだ。キスがハレンチな事かどうかは分からんけど。

多分、あの学校の校則の役わりって…なってないな。


「会場に着くと木村くんはステージ上にいて、木村くんを好きな子はステージ前のすぐ近くにいて…あたしそういう事かって納得しちゃった。」


なるほど、妖怪スピーカーとその女は付き合っている。もしくは付き合うかもしれない関係。

なるほどな〜。その子、妖怪スピーカーを本当に攻略しちゃったのか。