あたしと木村くんはね…と結希が話だす。
その表情、初々しいな。結希は浮気なんてしてねぇぞ。うん。もう分かるよ、ずっと分かってるけど妖怪スピーカーは結希に愛されまくってるよ。うん。


こんなにも素直じゃん。


「木村くんとは1年の頃、同じクラスで木村くんはあたしの中で問題児だったの。あたしが1年の頃風紀委員だったのはいのちゃんに言ったよね?」

「うん、聞いた」

「それでね。木村くん入学式から1週間たった時、髪の毛をスーパーサイヤ人にしてきたんだよ」


スーパーサイヤ人……。結希にしては良い例えだ。やばい、妖怪スピーカーの髪型を思い出すとつぼりそう。

それにしても1週間後にスーパーサイヤ人って妖怪スピーカーに何があったんだ。私は入学式ですでにブロンドにしていた。何にせよ、結希以外に校則守る人いないな。うん。


「あたし風紀委員だったからさ、その髪型をどうにかして欲しくてその日から木村くんとの追いかけっこがはじまって…それはもう毎日戦いだったよ。」


だろうな。アレと戦ったんか。結希よ、尊敬するぜ。


「もうね、あの笑い方!」

「わかる!!!!!!!」


おおおおおお!!結希よ、ちゃんと分かっていたかあの妖怪スピーカーのゲラゲラ笑い!!!


「うん!!そうなの!会話にならないの!木村くんの事最初は本当に嫌いだった…」



そうだろう!そうだろう!でないと結希の頭がおかしい事になる。アレと最初、話す人は会話にならないと思う。だってアレずっと笑い続けるし。


「でも、だんだんと会話になってきてね!木村くん成長していくんだよ?」


妖怪スピーカー、君は幼児か。どんな目で結希から見られてたんだ。


「そしたら…ね、木村くんの事が本当に好きな子がいてその子に木村くんともう話さないでって言われちゃって…」


あー、あちゃー。そうなのか。妖怪スピーカーが好きな子はいくらでもいる。結希はそういう女の子とも上手くやっていけるほど良い子だけど、妖怪スピーカーを本気で好きという子がいたら…うーん。

妖怪スピーカーの容姿では無くちゃんと全てを好きな子だったら結希の存在は面白くないだろうね。


なんせ、妖怪スピーカーと会話が出来るんだからな。うん。