十日目の判決 -完-

妖怪スピーカーはバカでアホで何考えてるか常識人には理解しかねるけど、性格は嘘を付けないド正直な性格なのだ。だから妖怪スピーカーは嘘は言わない。


それを私は昔から見ていて知っている。

昨日、突然結希の浮気疑惑に私が素直に話を聞けたのは妖怪スピーカーがそんな人だと分かっているから嘘を言っているなんてこれっぽっちも思わなかったし、結希の様子を見守る事に私は協力した。


バカだから嘘を言えないだけかもしれんが。



「結希を尾行してその後はどうする？結希に他の男がいるって確実になったらどうするの？」


君は彼女が浮気をしていると分かったら、

その先、どうするんだ。


別れるのか、知らないふりするのか

怒るのか、泣くのか…


浮気を確かめてどうするんだ。


「ケケケッ！おれはねぇ〜？結希ちゃんを信じてるって言うかぁ〜信じたいからぁ〜尾行するわけよぉ〜ウハッ！」


「うん」


だからどうするんだ。結希が好きなのは十分知ってる。


「浮気を確かめてどうこうじゃなくてぇ〜！」


いや、どうこうしたいから浮気を確かめるんだろ君は。
病的に頭弱いよな、マジで。


「ケケケッ！おれは結希ちゃんがぁ〜様子がおかしいからさぁ？ウハッ！それが男と一緒に居たことに関係するならぁ〜解決しなきゃじゃん〜？てことだよぉ？ギャハハ！！」


…ああ、うん。なんか分かった…気がする。

ただ結希が好きで、結希が何か悩んでるなら力になって助けたいってだけなんだよな。さすが妖怪スピーカー。



「こんっのバカ」

「えぇ〜？バカって言ったほうがバカなんだよぉ〜？ケケケッ！！！アハハハッ！いののバーカ！！！」


はいはいはい。このハイテンションめ。いつでもどこでもその能天気はウザいな。

結希、めっちゃ愛されてんじゃん。