チリーン。

相変わらず気色の悪い音だなこのインターホン(?)は。

「はーい」

中から元気が良いのかバカなのかどうかはわからない真輝音先輩の声が聞こえた。

「よっ、魏姫ちゃん。お迎えありがとう」

「いや、迎えに来たわけじゃないから。氷瀬乃に行けって言われたから仕方がなく来たんだ。あと、ツンデレじゃないからな。言っていたらツンデレみたいな台詞になっていただけなんだ」

「はいはい、分かっていますよ」

そんなニコニコした顔で言われるとムカつく以外の何物でもないと思う。

本当に一発殴りたい。

全身全霊を込めた、ゲーセンのパンチングマシンを破壊に追い込んだこの手で。

そんなことをしたら死か死ぬ寸前まで行くから何もしないけど。

後で懲らしめよっと。

「総長だぁ…(笑)」

「おいちょっと待て芹。なんだ最後に付いている“(笑)”は⁉︎」

「なんでもないよぉ〜(笑)」

「今も絶対“(笑)”つけたよね⁉︎」

「落ち着いて魏姫。いつものことだからね、落ち着いて」

「ブゥゥ」

ブーイングを漏らす。

芹はいつもこんな感じでやる気のない無気力系男子なのでなぜか語尾が伸びる。

あとウザい。

ウザくないんだけどなんだかなんていうか……ウザい。