「あんた施設育ちなんだって?」

「え、マジ?捨て子なんだぁ可哀想だねぇ」

「施設なんかで育っている人なんて乞食でしょ~」

「えぇいるだけで不幸が移るんですけどぉ」



ブチッ。



怒りが限界を越えた瞬間だった。

同時にあたしの中の何かが崩れ落ちた。


そして、殴った。

怒りが消えるまでずっと。

暴力はダメだって、手を出したら負けだってわかってたはずなのに。

あの時のあたしはまるで獣のようだった。

心の中の何かに支配されて、無我夢中に、思うまま動いた。

結果、その場にいた人は人はみんな病院行きになってしまった。

まあそこからは絵にかいたような転落劇だ。

退学となり普通の学校に行ったが悪口を言われるたびに暴れてしまった。

一匹の怒りに満ちた獣。

あたしの中にいるそいつを解き放つたびに退学になった。

そして日本最底辺と陰で呼ばれている学校まで落ちた。


そこでの生活はつまんなかった。


授業は簡単。

なのでやることがない。

やることと言えば毎日飽きずに喧嘩を吹っかけてくる奴の相手。

しばらくすると名前が広がったのか、相手も少なくなった。

その代わりにあることで絡んでくる奴が増えた。