「起きろ‼︎!起きろ‼︎」

やることその1。

子供を起こす。

「はーい。起きたよぉ〜」

今日はやけに素直だ。

いつもの半分の時間でやることその1が終わった。

やることその2は飛ばす。

だって魅火流を起こすことだから。

やること3。

これは気味が悪いくらいスムーズに進んだ。

魅火流にアイコンタクトしてもわからないとしか返ってこなかった。

そのおかげで朝ごはんがきちんと食べられたけど。



ピンポーン。



朝早くから誰だ?

ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン

ウルセェ。

誰だよこんなにも常識がない奴は。

そんなことを思いながら玄関を開ける。

「おはよう魏姫。準備はできたか?」

「うん。さて氷瀬乃、1つ質問してもいいか?」

「なんだい魏姫?」

「………さっきインターホン何回押した?」

「すみませんでした」

「すみませんでしたじゃなくて〜何回押したんだ?あ"?」

「怒らないでください」

こいつは小学生か。

"お母さん、本当のこと言うから怒んないでね?"

って言っている小学生そっくりだ。

「うん怒んないよ」

「12回」


ドスッ。(腹を殴る音)

ドサッ。(氷瀬乃が膝をつく音)


ドンマイ氷瀬乃。

「魏姫。怒んないって言ったじゃん…」

「うん。でも誰も"殴らない"とは言ってないよ」

「うわぁ…卑怯だ…「正論です」」