「だから車だって」

「はぁ⁉︎」

いやいや。本当かよ。

えっ?車?マジで⁉︎

学校内に車が走ってるの⁉︎

「いつも走ってるんですか車⁉︎」

「いいや。走っていい時間が決まっている」

へぇ〜さすが豹羽高校。

氷瀬乃の学校だけにすごいわ。

「そういやぁ若蛇。お前なんでこの高校に入った?聞いた話によれば大学にいけるくらいの頭なんだろ?」

うっ。

いきなりピンポイントできたか。

こんなに早く聞かれるとは思わなかった。

「まぁ…氷瀬乃がいるとかなどの理由ですかね………」

「あっそう。この学校は生徒の夢や目標などを大切にしているからね。なんかあったらいつでもいいな」

「はい…」

あたしには夢も目標もない。

あってはいけない存在なんだ。

あんな事件はもう起こしてはいけない。

「ふぅ…」

刹戯が深呼吸をした。

そして…沈黙。

ちょっと気まずいオーラが出ている。

どうしようもない中、助け船のように車が来た。

見ると超高級車だと思われる車。

どんだけ金持ちなんだよこの学校…

中から黒いスーツを着た男が出てきてドアを開けてくれた。

刹戯はそれが当たり前のように乗り込んでいった。

あいつもともと金持ちの家に居たんじゃないか!?

ドアの前で立ち止まっていると

「おい。若蛇魏姫。遅れるから早く乗れ」

と言われた。

心の中で舌打ちしながら言われた通りに車に乗り込んだ。