「君が“若蛇魏姫”くんかな?」
知っているけど知らないふりをする。
絶対魏姫もわかっている。
「はい。くんって言ってますが一応あたし女なので…よろしくお願いします」
ほら。
ちゃんと反応してるし。
「理事長!なんで女の人がこの学校に来るんですか?ここは男子校ですよ!?」
刹戯、お前はバカなのか?
慌てている。
抑えなければ。
「まあまあ、落ち着いてください」
なだめればいいか。
「落ち着いていられるわけないでしょう!!前代未聞のことなんですよ!?」
ダメだった。
ていうか……
「あれ?もしかして聞いていないんですか?朝、理事長室で話したこと」
まさか覚えてないなんてことはないよね〜
この僕がくじ引きで出したひとだもん。
忘れるわけない……多分。
「い、いいえ聞いていました。確か
“見た目が少し変わっている生徒が入学するのできちんと誘導するように”
でしたっけ」
そうそう。
きちんと覚えていたんだ。
えらいな〜
「それがこの子」
「ええ!?そうですか…すいません。お名前を聞かせてください」
ええええ!?
アイツってこんなキャラだったっけ!?
なんか…気色悪い。