ガチャッ。

「さあ入って」

理事長について来て入った場所は...理事長室らしき部屋だった。

「あの理事長。いつも通りにしてもいいですか?たぶん誰も来ないので」

「……いいよ」

渋々だな。

ま、お許しが出たからそうすることにしますか。

「ああダルかった〜ねぇ氷瀬乃(ひせの)クン?」

「スミマセン」

「なんであたしが呼び出したのに他の先生に頼んでいるのかな?」

「面倒くさかったからです」

「へえ〜そうなんだ。まあいっか。で、話は変わるがアイツらはどうしてる?この学校の生徒だろ?」

「アイツらって?お前の族の人か?」

「ああそうだ」

あたしはちょっと名の知れたつよーい族、迅竜(じんりゅう)の総長をやっている。

ちなみに迅竜があたしのいる妃出之園を管理している。

妃出之園は裏の世界に生きることができる素質を持った子どもしか入れない。

身寄りをなくした子を見極め、迅竜の幹部の目にとまった子が集まっている。

魅火流もその1人。

お母さんが預けたといっているが正確に言うと虐待を受けていた魅火流を助け、ここに連れてきた。