「魏姫ちゃん~理事長呼んで来たよ~」

「ありがとうございます!」

「じゃあ俺行くね〜」

「はい!ではまた後で」

あたしは目を伏せながらに笑った。

先輩、ちょっと怯えてるような顔してる。

ごめん、少し怒ってるからね。

理事長に。

「り、理事長!?」

この先生理事長来た途端焦っている。

なんかイケナイことでもしたのだろうか?


「君が“若蛇魏姫”くんかな?」

「はい。くんって言ってますが一応あたし女なので…よろしくお願いします」

「理事長!なんで彼女がこの学校に来るんですか?ここは男子校ですよ!?」

「まあまあ、落ち着いてください」

「落ち着いていられるわけないでしょう!!開校以来一度もないのことですよ!?」

「ん?もしかして聞いていなかったんですか?朝話したこと」

「い、いいえ聞いていました。確か
“見た目が少し変わっている生徒が入学するので校門で出迎えるように”
でしたっけ」

「それが彼女」

「ええ!?そうだったんですか…すいません。お名前を聞かせてください」

さっきとは偉く態度が違う。

権力の前では人間はこんなにも変わるのか。

興味深いことだ。

「若蛇魏姫」