魅火流は俗にいうイケメンの類である。

高身長で手足も長く、おまけに頭もいい。

小さいころから女子に追い掛け回され、告白された回数は数知れず。

羨ましい限りである。

しかし、そのせいであろうか。


魅火流は極度の女子恐怖症なのだ。


男子校を選んでいる理由もそれが原因だ。

ん?なんだあれ。

校門の前に人だかりが出来ている。

よく見ると魅火流のファンらしき人たちではないか。

いつの間にファンクラブなんてできたのか…



『あっ、魅火流様!!』



甲高い声でキャーキャー騒ぐ。

ここまでくると魅火流が芸能人ではないのかと疑いたい。

だがこのままじゃあ魅火流が学校に入れない。

どうしたものかと思案していると、目の前の人だかりも一瞬で無くなった。

なんと学校の警備員さんが追い払ってくれたのだ。

もしかしたらこういうことがよくあるからかもしれない。

噂によるといろいろな業界の偉い人もいるそうだし。

どっかの国の王様がいるとか。

きっと嘘だろうけど。