「「いってきます」」
魅火流と声をハモらせながら飛び出す。
「よし、走るぞ魏姫!」
「えっ朝から走るの!?……ちょっといてくなよ!」
いたずらっ子のような笑みの理由は全力疾走で学校に行かせるためか…
別にあたしがこの話に乗らなければいいだけなんだけど。
待っていてくれたからな。
「ふぅ」
そして心のなかで唱える。
ヨーイ…ドン!
魅火流を追いこす勢いで走る。
学校までの1㎞を全力で走る。
この調子なら遅刻することはないと思う。
魅火流に追いついたころ、学校の校門が見えてきた。
「時間はまだあるのでここからは歩こ?」
息を切らしながら魅火流にいう。
「サンセーだ。これ以上走ったら汗かいてしまいそうだ」
そう言ってあたしと同じペースで歩き始める。
歩き始めてから気づいたことではあるんだが…
ものすごい視線を感じる。
魅火流には女子の熱い視線。
あたしには怒りと嫉妬の視線。