最後の最後につい俯いてしまい、それを誤魔化すように私は苦笑した。
心なしか、目頭が熱くなってる気がする。あー泣いたらだめだ。だめだ。

そう呪文を唱えているとくっ、と両頬を包まれた感覚。

「ばかだなぁ。五月ちゃんは……」

ふふ、と自分より背が小さい蜜乃に見上げられながら、私は彼女にやわらかく微笑まれた。

「別に、そんなこと気にしなくていいのに。私だって、五月ちゃんに彼氏が出来たらきっと、五月ちゃんと同じこと言うよ？それに、五月ちゃんの言うとおり、五月ちゃんに相談しなかった私が悪いんだから…謝るのは私のほうだよ。ごめんね…」

ぶんぶんと私かぶりを振った。

「蜜乃ぉ……。まぁ、こんな私に恋の話は微妙だよね…今考えたらそうじゃん。あはは、なに私考え込んでたんだろう…でも！今度からはちゃんと話してね？流石に二回目というのは淋しいし」

自分でも話し繋がってないな…とは思うけど、このシリアスな雰囲気からすぐさま逃げたかったから、仕方ないという事にしておいてくれ。
……ほーら見てよ。蜜乃も笑ってるじゃん。

（この際、両方から落ちた涙は見ないフリ）