「あ、」

私からぱっ、と離れた蜜乃はすぐにスカートのポケットから携帯を出すと
発信人の名前をみてから頬を薄紅く染めたけど動きは止まらずに携帯を開くとすぐさま着信ボタンを押して耳に当てた。
「もしもし?」と蜜乃が言うと相手が喋りだしたのだろう、蜜乃の薄紅かった頬は綺麗な紅色にそまり、彼女の目の前に居る私にしか見えない幸せオーラというなの花が飛んでいた。まぶしい。まぶしいよ。蜜乃。

「蜜乃の彼氏」だと、直感で分った私はジェスチャーで先に教室に戻っているね、と蜜乃に指示すと彼女は喋りながらこくりと頷く。(ちゃんと喋りながら私を見てくれていたことに嬉しさを覚える私は子離れできない親みたいだな)それを確認するや否や、私は間食し立てのお弁当箱を片付け、屋上を後にした。