「……は?」

あのー、いまなんておっしゃいました?
そう言う気も無くなっちゃうぐらい私は唖然とした。
そんな私を差し置いて蜜乃は紅く染まった頬を両手で覆いながら
もう一回さっき言った言葉を繰り返してくれた。

「だーかーらーね?」


「私に」


「彼氏が」


「できたの!」


最後の言葉と同時に蜜乃は私の眉間のど真ん中に
人差し指だけを立てた右手を固定した。

「え、ちょ、お、おめでとー!!」

ガタリと椅子が倒れる勢いで私は立ち、蜜乃の右手を両手で包み込んだ。
多分いまの私の顔、すっごい笑ってると思う。

「ありがとー!やっぱり一番に五月ちゃんにお祝いして欲しかったから喜んでくれて嬉しい!」

「蜜乃ぉ…あんたって子はもう……!!」

最後の言葉に私は蜜乃に対する愛しさが溢れ私はがばりと蜜乃を抱きしめた。
蜜乃が「きゃー」と抱きしめられながら言いい負けないとでも言うように私の背中に腕を回ながら「五月ちゃんだいすきー」とか言うもんだから、「私も好きだよー」と言い返えそうとしたら聞き覚えの無い着信音が鳴り響いた。