これからどうしようか、と考えた時、
前に侍女から聞いた話を思い出した。

(……そうだ!
 確か今日は、私の誕生日を祝って、各国の商人達が来ている筈。
 市場に行けば、何か面白い物が見れるかも)

――市場へ向かった私は、城の兵士に捕まりそうになったところを、一人の赤い髪の青年に助けられる。
――アイリス姫(私)を捜しているという彼のことが気になり、私は、彼について行くことに決めた。

アラン
「んじゃ、ちょっとこの辺を案内してくれよ」

アイリス
「……は?」

アラン
「お礼。あんた見たところ、この国の人間みたいだし。
 それくらい、安いもんだろ?」

アイリス
「そ、それはそうですけど……」

アラン
「よし、じゃあ決まり!
 早速、行くか♪」

アイリス
「あっ、でも私、先を急いで……」

アラン
「こんな “めでたい” 日、楽しまなきゃ損だぜ」

――とにかく何でも楽しもうとするアラン。
――そんな彼と一緒に居るのは、とても楽しくて……

アラン
「よし、じゃあ賭けるか?」

アリス
「賭け?」

アラン
「そうだなぁ~、お嬢ちゃんから金をせびってもなぁ。
 んー……じゃ、ここは、
 負けた方が勝った方の命令を何でも聞くってことで」

アリス
「面白そうね♪
 いいわよ。負けないんだから。
 ……ふふふ」

アラン
「ん、どうした?」

アリス
「あなたにかかったら、どんな事でも遊びになっちゃうのね」

アラン
「まーな。
 俺は、人生が楽しけりゃ、それで良いんだよ」

――でも、盗賊と相対した後で、急に彼の態度が変わってしまう。

アラン
「やめだ、やめ。
 面倒事はゴメンだ」

アリス
「ちょ、ちょっと待ってよ!
 それじゃあ……諦めるって言うの??」

アラン
「言っただろ。
 俺は、人生が楽しけりゃ、それで良いんだって」

アリス
「だからって……面倒だと思ったら、逃げるって言うの?
 ……最低だわ」

アラン
「お嬢ちゃん。
 何事も、深入りしない方が身のためだぜ」


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