「…お前、すきな奴とかいんのか」


「へっ!?!?」




ハンガーにかけようとしていたスカートを、ぽろっと手から落とし力なく床に横たわる。


…なにその反応。




「へえ、いるんだ。ひなのくせに」


「なっ、なにそれ!どうゆう意味っ」




顔を真っ赤にさせてオレを睨んでくるひな。あーあー、逆効果逆効果。そんなことしてもかわいいだけだから。




「な、なぎさくんはいないの?」


「何が」


「すっ、好きな人…とか」



オレは頬杖をついたままひなをじっと見つめていた。


…これって、今がチャンスだったりすんの?つかタイミング的に、今だろ絶対。




「な…なぎさくん…?」


「…お前」


「…へ?」