……とは言ったものの。オレはゆうの言う通り、へたれのくそ野郎だから全然いい告白のシチュエーションが思いつかない。
出てくる言葉は「お前をオレの女にしてやってもいいぞ」とかどこぞの少女漫画の俺様みたいになってしまう…。
ゆうには自然体でやれ。って言われたけど…。
「ひなの前で自然体なんかできっかよ…」
ベランダでぼーっとしていたら、隣の部屋に明かりが着いた。
ひな、帰ってきたんだ…。
まあ…なせばなるかな…。今日告白しねえと、マジでゆうに絶交されそうだし…。
そう思いオレは隣のベランダにひょいと飛び移って、コンコンと窓を叩いた。
するとカーテンから顔を覗かせるひな。かわいすぎやめろ。
「わ、わっ!な、なぎさくんっ」
「…よ、入っていい?」
「どっ、どうぞ…!」
どぎまぎしながらもオレを部屋に入れてくれるひな。
これ、オレだからいいけど他の男もすんなり入れられたら困るんだけど。