一つ一つ燃やしていたのでは手間がかかる。

俺は飛来するスクラップではなく、地面を睨む。

その瞬間。

地面から炎の壁が立ち昇った!

側にいるだけで肌を焼かれるような高温の炎の壁。

その壁が、次々と衝突するスクラップ達を瞬時にして溶解させる。

一体どのくらいの温度なのだろう。

炎を操っている俺自身にもわからない。

金属が融解するほどの温度なのだ。

もし直撃すれば、1号でも一溜まりもないだろう。

「……!」

1号が歯噛みする。

ここに来て彼女は初めて悔しげな表情を俺に見せた。

「もうネタは尽きただろう」

太陽の表面をうねるプロミネンスのように、俺の周囲を炎が跳ね回る。

「物を飛ばすだけの曲芸じゃ俺には勝てないよ…大人しく尻尾巻いて帰れ」

「っっっっ!!」

超能力では己を超える者など存在しない。

そのプライドを傷つけられたのだろう。

「だまれぇえぇぇえぇえぇぇっ!!」

ヒステリックな絶叫と共に、1号は己の全能力を開放した。