1号はバイクに乗っている。

この狭い場所では思うように動けない筈だ。

「……」

案の定建設現場の前でバイクを降りる1号。

そして次の瞬間。

「!?」

何と1号は念動力でバイクを飛ばしてきた!

バイクは宙に浮き上がり、ものすごい勢いで私達に迫ってくる!

「小山田君!」

私は彼を押し倒す形で地面に伏せる!

バイクは私達の頭上を通り過ぎ、鉄骨に激突して砕け散った。

「…今よ」

私達は立ち上がって再び走り出す。

1号はバイクを失い、棒立ちのままだ。

今なら距離を広げられる。

…そう思った私は。

「…!」

1号の次の行動を見て、甘かったと悟った。