そんな高校生活を送っていたある日の事。

「よ~し、んじゃ全員体育館に移動しろ~」

我がクラスの担任である体育教師が、必要以上にデカい声を出す。

予防接種なのだそうだ。

「何の予防接種なの?先生~」

一人の女生徒がめんどくさそうに言う。

「ん~?新型インフルエンザの予防なんだと」

他人事のように言う担任殿も、何の予防接種なのかよく知らないといった様子だ。

無責任な教師だ。

とはいえこの冬、御影市でインフルエンザが大流行しているという話は俺も聞いている。

その為、市の医療機関が無料で市民に予防接種をしてくれるのだとか。

たまにはいい事するもんだと考えながら、俺はクラスメイト達と共にダラダラと体育館へと移動した。

そういえば、担任がまたデカい声で叫んでた。

四門と宮川がさぼって姿をくらましたらしい。

あいつらいつも一緒だな。

付き合ってたりしてな。