そうと決まれば。

俺達は早速歩き始めた。

向かうは駅。

一番手軽な公共の乗り物である電車を使う。

田園風景を横目に見ながら、俺と黛さんは並んで歩く。

…会話はない。

仲良く話す間柄じゃないし、黛さんの事をあれこれ詮索するのもためらわれる。

彼女も、幸せな人生を送っていた訳ではなさそうだから…。

そこで。

「あの1号って女…」

俺達の当面の敵について尋ねる事にした。

「あいつ…一体どんな能力を持っているんだ？ベンチが浮かんだりしたのも、あいつの仕業か？」