小山田君の手を引き、走る。
こんなに連続して『能力』を使ったのは初めてで、私自身かなり体力を消耗していたけど、ここで立ち止まる訳にはいかない。
とにかく息の続く限り、走って、走って…。
「っはぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ…」
私と小山田君は、小さな川にかかる橋の上で立ち止まり、荒く呼吸した。
欄干にもたれかかり、空を仰いで息を吐く小山田君。
制服のネクタイを緩めながら、思わず言葉を漏らす。
「何なんだよ…あんたら一体…」
小山田君にしてみれば、もっともな意見だ。
突然見ず知らずの女二人に挟まれて、その間をベンチが飛んだり蹴りが飛んだり。
普通の高校生には訳がわからないだろう。
でも…彼はもう『普通の高校生』ではなくなった。
それも…私の手によって…。
「……」
ようやく呼吸を整えて、私は正面から小山田君を見た。
「改めて自己紹介するね…私は黛まどか。『機関』の人間よ」
「…!!」
私の言葉で、小山田君の表情が強張った。
どうやら1号から大体の話は聞いているらしい。
「…小山田君。貴方、1号…さっきの女からどういう話を聞いている?」
「……」
警戒して口を閉ざしたままの小山田君。
成程ね…彼の反応で大体の見当はついた。
随分都合のいい話を聞かせたみたいだ。
「私が『機関』の人間で、貴方に人体実験をして覚醒者3号として回収しにきた…そう思ってる?」
私がそう言うと、小山田君は無言のまま首を縦に振った。
こんなに連続して『能力』を使ったのは初めてで、私自身かなり体力を消耗していたけど、ここで立ち止まる訳にはいかない。
とにかく息の続く限り、走って、走って…。
「っはぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ…」
私と小山田君は、小さな川にかかる橋の上で立ち止まり、荒く呼吸した。
欄干にもたれかかり、空を仰いで息を吐く小山田君。
制服のネクタイを緩めながら、思わず言葉を漏らす。
「何なんだよ…あんたら一体…」
小山田君にしてみれば、もっともな意見だ。
突然見ず知らずの女二人に挟まれて、その間をベンチが飛んだり蹴りが飛んだり。
普通の高校生には訳がわからないだろう。
でも…彼はもう『普通の高校生』ではなくなった。
それも…私の手によって…。
「……」
ようやく呼吸を整えて、私は正面から小山田君を見た。
「改めて自己紹介するね…私は黛まどか。『機関』の人間よ」
「…!!」
私の言葉で、小山田君の表情が強張った。
どうやら1号から大体の話は聞いているらしい。
「…小山田君。貴方、1号…さっきの女からどういう話を聞いている?」
「……」
警戒して口を閉ざしたままの小山田君。
成程ね…彼の反応で大体の見当はついた。
随分都合のいい話を聞かせたみたいだ。
「私が『機関』の人間で、貴方に人体実験をして覚醒者3号として回収しにきた…そう思ってる?」
私がそう言うと、小山田君は無言のまま首を縦に振った。