「和泉、ごめんっ!」

「いいよ、いいよ。それより、和輝の友達って?」

「河村秀晴くんって人」

「河村、秀晴?」

「和泉、知ってるの?」

「見たことは無いけど、よく和輝の話に出てくる名前」

「和輝と仲良いんだね」

「家に遊びに来るくらいだしね」

「和泉と和輝には負けるだろうけどーっ!」

「うるさい。で、どうだったの?秀晴って人は」

「んー、チャラそうな人」

「チャラそうって…人のこと言えないじゃん、優」

「そういう和泉こそね」



私も和泉も和輝の格好も、真面目とは程遠い格好で。
和輝とは学校さえ違うものの、頭の良い高校に通っている訳でもない。



「制服、もう少し可愛く作ってくれたらいじらないのになあ」

「いや、和泉は絶対にいじるね」

「優よりはましだって」

「えー、そうかな?」

「でも、本当にうちの制服、ダサいよね」

「和輝の高校のセーラーよりはマシじゃない?」

「まあ、それは…」



くだらない事で、ずっと会話が続く和泉とは、
中学1年のときに知り合ってから1回も喧嘩をしたことが無い。

喧嘩をする理由が無いっていうのもあるけど。
基本的、私も和泉も争いを好まない。