「……素っ気ない」 アリスだから守る。 それ以外の干渉はよせと、見えない境界線を引かれたようだ。 「……だったら」 だったら――ジャックは? あの騎士も、ハートの女王だからという理由で仕えているのか? アリスには、そうは思えなかった。 常に寄り添う2人の距離は、主従の一言では片づけられない。 「……主人公なんて、クソくらえだ」 悪態をいさめてくれる友人の1人すら、今のアリスには、ない。