――バカをした。



 それもおそらく、人生最大の。



 よって、これ以上のバカをすることもないだろう。



 少年には、もう後がないのだから。





 濁った空。



 光など届きはしない、路地裏。



 いまだ去らぬ硝煙の匂い。




「……ッ!」




 自分の身体すら重く感じ、全体重を硬い壁に預けた。