ピルルルルル♪


パシン!


「痛ったぁー!」



「千尋ちゃん、遅刻するわよ。」



今、平たい物で殴られた気がする。


 
ベッドから降りると、私のお気に入りのスリッパが放り投げられていた。



はぁ~、またかっ。



私、早見千尋は高校2年生。



お父さんとお母さんは私が生まれた頃、交通事故で亡くなってしまったそうです。


その後、祖父の家に預けられ暮らしています。


「行って来まーす。」


「行ってらっしゃい、気をつけてね。」



家から学校まで15分、手作りパン屋さんの角を曲がり目の前の大きな建物が私の通う高校。