毎日、王と王女は地下へと女の子の様子を見に行った。


「この子をこれ以上、地下へ閉じ込めておくのは可哀想だわ。」


「そうだな。だが、出してしまったらこの子の力はどうなってしまうのやら……。」



「お父様、お母様、私を出して。私は何もしてないよ。」



王と王女は毎日泣いている子を見てはいられなかった。



だからと言って、地下から出してしまったら皆に危険性が高まる。



次の日も地下へと様子を見に行った。



しかし、驚くことに檻の中に子がいなかったのであった。



鍵はしっかりとかけてあるままで、地下だから窓など逃げる場所はなかった。