みんなが私を呼んでいるので、私はそっちに行こうとした。

 「じゃあね、」

 そう、その場を離れようとしたとき、

 「よかったね」

 香月くんの声がした。

 「頑張ったじゃん」

 一瞬だけ、本から私に目を移して、香月くんは笑った。