ある日。

 「香月くん、」

 私は声を掛けてみた。

 「・・・」

 私と香月くんが話をしたのは、1回だけ。
 もっと話をしてみたかった。

 「香月くんってば、」

 「・・・」

 私がいくら呼んでも彼は返事もしてくれなくて、私は悲しかった。