「私は、このあだ名が好きじゃない」

 「なんで?」

 「だって、私はロボットじゃない。
 上手く笑えないだけで、人に涙を見せるのが嫌なだけで、私にはちゃんと血が通ってる。
 何もかもプログラムされてるロボットなんかじゃない」

 私が小さく言い出した言葉を、香月くんは黙って聞いていた。

 「私だって、みんなと同じように大笑いしてみたい。
 悔しい時には、涙を流してその悔しさをバネにしたい。
 私だってちゃんと人間だもん」

 「じゃあさ、君はこのままでいいの?」

 「え・・」

 「みんなと一緒に大笑いをしたいって、その願い叶えたくないの?
 悔しい思いしたら、みんなと一緒に悔しかったね、次こそは、って言いたくないの?」

 「それは・・・っ」

 「頑張ってみれば?」