しばらく沈黙が続いて、私が後ろを向いたまま香月くんを見ていると、

 「君さ、」

 香月くんが口を開いた。

 「何でしょう?」

 「その”ロボット”ってあだ名、好きなの?」

 「え・・・?」

 「君は、そんなあだ名をつけられて、不快な気分にならないの?って聞いてるんだけど」

 こんなことを聞かれるのは初めてだ。
 ロボットという呼び名が決まってから、誰も私の気持ちで考えてくれる人はいなかった。