また声がして、後ろを振り向くと、そこには私と同じように机で本を読んでいる男の子がいた。

 「あなた、誰ですか?」

 私が問いかけると、彼は本から眼をそらして、

 「香月 優斗(かつき ゆうと)」

 と、短く答えた。