ちょっと、触ってみるか……?

 あの紙の情報だけではどうにも心が落ち着かない。

 せめてもう少しこいつについての情報が欲しい。

 俺の中でほんの少しだけ好奇心が湧いてきた。

 触ったぐらいでどうこうなるもんじゃないだろう。

 あの紙にだって、触れてはいけないとは書かれていなかった。

 伸ばした手を少し躊躇させながら、俺は思い切ってそいつを手に取ってみる事にした。

 ……

 触ってみた感想はただ一言。

 後悔。

 人間に似ているなとは思っていたけれど、触ってみてますます感じたのは、その質感が人間のものとそっくりだった事。

 あとは、そいつは異常にぶよぶよとしていた。

 半ば放り投げるようにして箱に戻すと、俺は急いで手を洗った。

 決めた。

 こいつは処分しよう。