「そういえば朱莉、よくここが分かったね?」
『あ、うん。和樹がメールで教えてくれたっちゃん。ゴメン、前会った時に雛乃から頼まれた伝言伝えたっちゃけどね、和樹が忘れられるわけねーだろってうるさくて…じゃあ雛乃に直接確かめろやっつって東京に連れてきちゃった…。』
「そ、そうだったんだ…。」
なんて想像しやすい、この2人のやり取り。
相変わらず仲よくやっているようだ。
『和樹、謝ったと?』
『…おう。』
『想いも伝えた?』
『伝えたけど、俺は過去を見てるだけだって…。』
『はぁー、人に言われて気付くって…和樹のアホ、マヌケ、鈍感!バ和樹!』
『ちょっ、そこまで言うことないだろ!?俺だってなぁっ』
「まぁまぁー!2人とも落ち着いて!」
ヒートアップする2人のやり取りを見ていられなくなって、咄嗟に2人の間に入る。
『ゴメン、雛乃。』
『悪い…。』
「そんなことよりさ、2人とも今日は泊り?」
話題を逸らすと、正面の2人が見つめ合う。