『雛乃?言ってくんなきゃ分かんない。』

「~~~っ」


確かに、千尋くんの言う通りだ。

でも…っ、私が"あのこと"を言えって…?

これ以上赤くなっちゃったら、顔から火が噴いちゃうよ…っ


『雛乃?』

「あの…っ、あのね…!」


でも、千尋くんに変な誤解を与えたくはないという気持ちの方が大きかった。

千尋くんと交わすキスは――…、その、時々着いていけない時もあるけど、好きじゃないわけじゃないから。


「私…っ、その、はっ初めてだから…っ、あの……っ、まだ心が着いていけてないと言いますか、だから要するに…っ!」

『プッ…!』

「へ・・・?」


頑張って私の気持ちを伝えようと真っ赤な顔を曝け出して訴えていると、千尋くんは噴き出した。

あははっと笑い続ける千尋くんを、私はポカンと口を開けて見上げるだけ。

私…何かおかしなこと言った…?