ガチャッと千尋くんの部屋へと続く扉を開けた先には、以前来た時と変わらないモノクロトーンで散らかっていない光景が広がっていた。

千尋くんって意外と几帳面なのかな…?

お見舞いの時も今日も、私が訪問するときはいつも突然なのにこんなにも整理整頓されているということは、相当千尋くんは綺麗好きであるということが伺える。

いつもはボーっとしてて眠そうにしてるのに…意外だ。


千尋くんの部屋の中に身体を滑り込ませた私は、どこに座っていようか悩み始める。

簡易テーブルの近くにいた方がいいよね…?

とりあえずドアに近い側の簡易テーブルの傍に座った。


「……っ!」


座ってみると、正面にドドンッと視界に入り込んでくる千尋くんのベッドに息が詰まった。

こ、これは…ちょっ、と……っ

一気に脳内をピンク一色が占領した瞬間、私はそろー…っと今座っている場所から移した。


「……よし。」


心臓バクバクな私がたどり着いたのは、千尋くんのベッドと簡易テーブルの間のゆったりとした空間だった。

ここだったらベッドを見ることはないし、大丈夫でしょ…!

ベッドに背を向ける形で千尋くんが来るのをドキドキしながら待っていると、ガチャリと部屋の扉が開いた。